社長メッセージ
すべてはお客さまのために
~“NICIGAS 3.0”に向けて~
今から約70年前の1955年、地域社会への貢献を使命にニチガス(「当社グループ」)は誕生しました。それから今日まで、安心・安全なガスの提供を第一に地域社会、株主、取引先企業、協力会社などの皆さまの力強い支え、社員のチカラによって、当社グループは成長・発展を続けています。
これまでの軌跡を振り返ると、当社グループの第一のターニングポイントは今から25年前のLPガスの自由化(1997年)でした。誰もが自由にLPガス会社を選べるようになった事業環境の変化のもと当社はいち早く自由競争をスタートし、地域社会の皆さまに選んでいただくために変化し続けることを決断しました。これが、常識や既成概念に捉われず地域社会への貢献を第一に挑戦し、変化し続ける当社グループのDNAとなりました(“NICIGAS1.0”)。
第二のターニングポイントは今から11年前の2011年、エネルギー小売全面自由化が目前に迫る中、世界有数の金融機関JPモルガン社100%出資の、OEP社と資本業務提携したことです。彼らとの議論を通じ、当社グループの企業価値が自由化市場において大きく飛躍するための将来の構想・戦略を進め、その後当社グループは日本最大のエネルギーインフラ会社である「東京電力グループ」、最先端テクノロジーベンチャーなどと次々に提携関係を開始し、各社と共に価値を創出しながら、地域社会に根ざす「総合エネルギー」事業へと進化してきました(“NICIGAS2.0”)。
そして2022年の今、当社グループは第三のターニングポイントに差しかかっています。地球温暖化という未曾有の危機、天災の発生増加や激甚化、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえた社会情勢は、これまでのような上流から下流までの一貫して安定したエネルギー供給が当然のものではなくなったことを明らかにしました。
このように大きく変化する経営環境のもと、これからの地域社会に最も必要なのは再生可能エネルギーや、今後の急増が予想される電気自動車(EV)の利用を前提としながら、災害時でもエネルギーを強靭に自立的に供給できるレジリエントな分散型のエネルギーシステムの構築です。この課題に対し当社グループは、従来のガスや電気を仕入れて販売するという事業モデルを刷新し、電気とガスをセットでお客さまにご提供することを前提に太陽光発電設備、蓄電池としてのEVやハイブリッド給湯器などの分散型エネルギー源設備(DER)を提供して各家庭のスマートハウス化を推進し、その上で広く地域社会に対して最適なエネルギー利用を提案する「エネルギーソリューション事業」への進化に向け、新たな挑戦を進めてまいります(“NICIGAS 3.0”)。
ESGの観点からは、(E) 地球温暖化・脱炭素などのグローバルな課題の解決に積極的に貢献していくこと、(S) 多様な価値観を受け入れながら、地域社会・取引先・全社員などのコミュニティの信頼を積み上げていくこと、(G) 株主を始めとするステークホルダーからの信頼を担保しながら、透明かつ健全な経営を行うための仕組み(ガバナンス)を充実させていくこと、を社員一丸となって取り組み、中長期的な事業の成長と企業価値向上を実現してまいります。
一見、「変わらないだろう」、「変えられないだろう」と思われる社会課題や常識に直面する場面においても、当社グループは自分たちのDNAを再確認しながら「変化」し続け、未来へ向かって「挑戦」を続けてまいります。
すべては、お客さまのために。
ステークホルダーの皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援とご指導をお願い申し上げます。
代表取締役社長執行役員
柏谷 邦彦